« 昴神角ふじ(東京都杉並区) うま節麺(野菜ちょい増し,ニンニク) | トップページ | 節の一分 豊田店(東京都日野市) にんにく中華そば(味玉,野菜盛り追加) »

2008年11月11日 (火)

丸長(東京都杉並区) ラーメン

 時刻は午後1時半。
開店前にこのお店の前を通りかかったときには20人もの行列があったが,10人ほどに短くなっている。
行列の平均年齢は他店よりも高めである。

 通行人が怪訝そうな視線を行列に送る。
中には,

 「何の行列だろう。」

と会話しながら通りすぎる方々も少なくない。
このお店はラーメンに興味のない方々には,あまり知られていないようだ。

 ここは,「丸長のれん会」の総本山である。
関東一円に繁殖する「大勝軒」も元をたどっていくとここに行きつく。

 行列が進み,行列の先頭に到達する。
店の入り口は狭く,店内の様子はよく分からない。
入口からは,ご主人がラーメンを作っている様子がチラチラと見える。
この入り口の先は厨房の脇を通って客席につながっているようである。

 店内を覗き込んでいたら年配のご主人から

 「空いたら呼ぶから外で待ってて。」

と注意されてしまった。
行列のときは,店の入り口の外で待つのがこの店の「掟」であったようだ。

 しばらくすると,お客さんが数人出てくる。
ご主人は,店の外で待つ私に

 「何人?」

と聞く。
私は,人指し指を立てて「ひとり」であることを伝える。
狭い入口を入って厨房の脇を通り,空いているカウンター席に座る。
席はご主人の真正面である。

 店内に入って分かったのだが,本来の店の入り口はシャッターが下ろされて閉鎖されている。
先ほど通ってきた入り口は,もともと厨房の出入り口のようである。

 店はご主人とその奥さんと思われる2人で切り盛りしている。
注文をしようとするが,どうするのがこの店の掟なのか分からない。
接客担当は奥さんのようだが,奥さんはちょうど洗い物をしていて手があいていない。
一方,ご主人の手は空いていて注文を待っているようにも見えないでもない。
ご主人に今すぐ注文すべきか?それとも,奥さんの手が空くまで待つべきか?

 ヒントは給水機にあった。
最近のラーメン店にしては珍しく水はセルフサービスではないようだ。
このことから,水が出されたタイミングで注文するのが正解だろう。
しばらくすると,奥さんが水とおしぼりとを出してくれたので,このタイミングで「ラーメン」を注文する。

 ご主人の仕事を観察する。
「つけそば」(つけ麺)の作り方が面白い。

 つけ汁の器は湯呑のように小さい。
まるで日本蕎麦の「ざるそば」のようである。
後で調べて分かったことだが,日本蕎麦にも「つけ麺」と同じように「ざるに盛った蕎麦」+「温かいつゆ」という組み合わせがあり,これを「つけ蕎麦」と呼ぶそうである。

 ご主人の仕事に話を戻す。

 まず,小さな器に醤油ダレ,塩,コショウ,酢,砂糖などの調味料を分量に注意しながら入れる。
薬の調合のように分量には細心の注意をはらっているようである。
つけ汁が少ないので,味加減が難しそうである。

 次に,器にスープを注ぐ。
スープは2回に分けて注ぐ。
1回目はスープが入った寸胴から普通に柄杓ですくって注ぎ,2回目は寸胴の表面に浮かぶ油分をすくって少量入れる。

 次に,レンゲを使ってつけ汁が入った器の底を丹念にこする。
おそらく,調味料をスープに完全に溶かしきるためなのだろう。

 最後に,ネギ,メンマ,ほぐしたチャーシューなどの薬味を入れて完成である。

 店内には,まだ陽が高いうちからビールをあおる「お父さん」たちがたくさんいる。
「お父さん」たちは,「つけそば」の空になった皿の上につけ汁の器を置いて,無言でご主人の前に差し出していく。
すると,ご主人もまた無言でつけ汁の器に寸胴のスープを柄杓ですくって注ぐ。
どうやらこれがこの店の「スープ割りの掟」のようである。
テーブル席からご主人に向かって

 「スープ割りお願いします。」

と声をかけるお客さんはひとりもいない。

 カウンター席でビールを飲んで「つけそば」を食べ終わった常連と思われる「お父さん」のひとりに,ご主人は,

 「スープ入れましょうか?」

と声をかけ,つけ汁が残った器にスープを注ぐ。

 どうこうしているうちに私のラーメンが出来上がる。

Imgp1967a

 スープは濃いくち醤油を使っているのか黒い。
麺は丸い太麺で縮れは少ない。
トッピングは,チャーシュー,メンマ,海苔,ねぎ。

 スープは醤油が強く,煮干しの苦味があり,椎茸の風味も感じられる。
どこか,「かけそば」のつゆのようでもある。

 麺はツルツルで,はちきれんばかりにプリプリである。
変な例え方だが「まるまると太った麺」という印象である。

 店を出ると行列はなくなっている。
道路の反対側に渡ってお店の全貌を眺めてみた。
店の本来の入り口はシャッターが下ろされ,店の脇にある厨房への通用口だけが空いている。
店の外には,休業日や営業時間の案内はない。
常連さん以外には,ここにあるラーメン店が営業していることは分からない。

-----------------------------------------
データ

[店名]
 丸長

[住所]
 東京都杉並区荻窪

[アクセス]
 JR中央線「荻窪駅」南口から徒歩5分ほど

[訪問日]
 2008/10

[参考HP]

 [1] ラーメンデータベース
 http://ramendb.supleks.jp/

 丸長
 http://ramendb.supleks.jp/shop/2759

 [2] フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8

 荻窪ラーメン
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8D%BB%E7%AA%AA%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%A1%E3%83%B3

 [3] 大勝軒
 http://www.taishoken.co.jp/

 店舗情報
 http://www.taishoken.co.jp/taishoken/index.html

 丸長のれん会グループのルーツ
 http://www.taishoken.co.jp/syoukai/norenkai/

|

« 昴神角ふじ(東京都杉並区) うま節麺(野菜ちょい増し,ニンニク) | トップページ | 節の一分 豊田店(東京都日野市) にんにく中華そば(味玉,野菜盛り追加) »

「グルメ・クッキング」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/435290/25216471

この記事へのトラックバック一覧です: 丸長(東京都杉並区) ラーメン:

« 昴神角ふじ(東京都杉並区) うま節麺(野菜ちょい増し,ニンニク) | トップページ | 節の一分 豊田店(東京都日野市) にんにく中華そば(味玉,野菜盛り追加) »