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2008年7月16日 (水)

麺家宝(東京都田無市) つけ麺(中盛)+お宝

 店は西武新宿線の田無駅のすぐ前にあり立地は悪くない。
しかし,中央線沿線の駅からは行きにくい店である。
どうやって行くのがいいものかと思案しあた挙句,結局,武蔵境駅から田無駅まで徒歩で行くことにした。

 冷房がきき過ぎた電車から降りて駅前に出ると,たっぷりと熱せられたアスファルトの熱気によって冷房で冷え切っていた体温が急上昇する。
気温は30℃を超えている。
用意した帽子をかぶり,駅前の通りを北へ向かう。
田無駅へはここから30分ほどである。

 ・・・

 店は田無の駅前にあるが少々分かりにくい。
駅前の路地をぐるりと半周したところで,細い路地にしては不似合いな行列を発見する。

 店の前に到着したのは午後1時10分頃。
行列は7人。
この時間にしてこの行列はラッキーだろう。

 行列には「しきたり」がある。
行列は店の入り口を先頭にして西武線の方向に進み,店の端で折り返して今度は西武線と反対側へ進んでいる。

 店の換気扇からは魚介系のダシの香りが漂ってくる。
換気扇の直下で猫が死んだように爆睡している。
ダシの香りが心地よいのか,それとも,真夏の暑さのためにダウンしているのかは分からない。

 ・・・

 行列の進行は遅い。
この店の麺は極太麺であり,茹で時間が長いためである。
それにしても,炎天下の行列は苦痛である。
夏場はラーメンを食べるためにも帽子は必須である。
行列中に暑さに負けてリタイヤしたり,ましてや,熱中症で倒れたりするのは避けたい。
登山と同様に,ラーメン店を訪れる場合にも,無理のない計画と十分な装備が必要である。
冗談抜きで「ラーメン店で遭難」しかねない。
海や山はもちろんのことラーメン店をなめてはいけない。

 行列が数人進んだところで,店員さんが店外の行列に注文を聞きにくる。
どうやら,この店の名物である「奥さん」のようである。
つけ麺(中盛)と「お宝」を注文する。
「お宝」の正体は,トッピングの全部のせのようである。

 店の窓から店内の様子をうかがう。
ご主人が「茹で」と「つけ汁」担当で,先の奥さんが「麺のシメ」と「接客」担当のようである。
二人とも動きが機敏であり,コンビネーションは抜群である。

 ・・・

 行列開始から20分ほど経過しただろうか?
ようやく店内のカウンター席につく。

 厨房内の麺を茹でる釜に目をやる。
釜の中にあるザル(?)は全部で4つ。
つまり,一度に茹でることができるのは4人分である。
茹で時間は10分はかかるので,8食分で20分かかることになる。
行列の速度とほぼ一致しているので,待ち時間の目安になると思う。

 目の前のご主人が,つけ汁を作りはじめた。
丼の中にレンゲに半分ほどの酢,七味唐辛子,刻みネギ,それから,得体の知れない小さな白い脂のようなものを次々に入れていく。
そして,小鍋に入ったスープを網目が細かいザル(濾し器?)を通して丼に注いでいく。
スープの粘度が高いせいか,スープは濾し器を容易に通過しない。
ご主人は濾し器を何度も上下に振ることで,濾し器にひっかかったスープは,少しずつ丼の中に落ちていく。
最後に魚粉をたっぷりと振りかける。

 ご主人の横で奥さんが茹で上がった麺をザルで洗い始める。
この奥さんの洗いっぷりは豪快である。
大量の流水に麺が入ったザルをさらし,中華鍋で炒め物をするような凄まじい勢いで麺をあおる。
洗い方が激しいので,流水の飛沫がカウンター席を飛び越えはしないかと心配しながら見ていたが,案の定,ときどきいくらか飛び越えている。
幸い「水しぶき」が飛び越えた先のカウンター席にはお客さんがいなかったが。

 お客さんからクレームがないものかと少々心配になる。
どうにもこの点が気になってしまい,後日,ラーメンデータベースのコメントをざっと確認してみたが,意外なことに「水しぶき」に関するクレームはおろかコメントすら見つからなかった。
お客さんが近くにいるときには手加減しているのだろうか?

 水にさらされた麺は,奥さんが全体重をかけて水分を絞る。
豪快な洗いといい,全体重をかけた麺絞りといい,麺がボロボロになりやしないかと心配になってくる。

 この奥さんは,仕事だけでなく接客もどこか豪快である。
とにかく,声がよく通る。
学生時代に体育会系のクラブか,演劇部あたりで活躍していたのではないかと思ったりもする。

Imgp1103a

 麺はうどん級の極太麺。
近頃は麺の太さの競争になっているが,これ以上太い麺が食べたければ小麦の塊を食べるしかないと思う。
極太麺にしては珍しく縮れているのが個性的である。
奥さんにずいぶんと「いじめられた」にもかかわらず,麺の表面にはハリと光沢がある。

 麺が盛られた皿には,「お宝」のチャーシュー,味玉,メンマが添えられる。

Imgp1105a

 つけ汁は,茶色く乳化して濁っており,表面には魚粉がふりかけられている。
つけ汁の中には,白い刻みチャーシュー(ではないかと思う),メンマ,ネギ,七味唐辛子が入っている。
器の壁面に付着した粒子からもこのつけ汁が濃厚であることが分かる。

 麺には強烈な弾力とコシがある。
奥さんの全体重をのせても潰れなかっただけのことはある。
極太麺ではあるが表面から芯まで均質に茹でられているのが見事である。

 つけ汁にはとろみがあり濃厚である。
とはいえ,豚骨の臭みやしつこさはなく舌触りは滑らかである。
魚介系の風味が強く,甘口ではあるが砂糖の甘みは感じられない。
つけ汁には酢が入っているが,酢の酸味は直接には感じられず,ほどよい隠し味になっているようである。

 ここまで書いただけでは,他店でもお目にかかれそうなつけ汁である。
しかし,このつけ汁の最大の特徴は驚異的な「吸着力」である。
とにかく,つけ汁の麺への絡み方が半端でない。
おかげで極太麺であるにもかかわらず,味の印象が淡白になることはない。
このつけ汁の強烈な「吸着力」は,つけ汁の口当たりからもよく分かる。
吸着力の正体は,恐らくコラーゲン等のゼラチン質ではないかと思う。
つけ汁の口当たりはマイルドであるが,濃厚さゆえに「腹持ち」がよい。

 麺を完食したときには,つけ汁はもうほとんど残っていない。
つけ汁の恐るべき吸着力のせいで,麺が大方吸い取ってしまったためである。
スープ割りはあきらめざるをえない。
やむなく僅かに残ったどろりとしたつけ汁を口の中に流しこむ。

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データ

[店名]
 麺家宝

[住所]
 東京都西東京市南町

[アクセス]
 西武新宿線「田無駅」南口すぐ

[訪問日]
 2008/07

[参考HP]

[1] ラーメンデータベース
 http://ramendb.supleks.jp/

 麺家宝
 http://ramendb.supleks.jp/shop/1623
 お店の地図,営業時間,メニューなどが参考になります。

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