藍華 つけ麺(大盛り,味玉)
店の扉を開けて店内に入ると,麺を茹でる湯気の甘い香りが立ち込めている。
小麦が香るとは,まさにこのことである。
カウンター席は満席であり,唯一空いているテーブル席につく。
このテーブル席は非常用であり,満席のとき以外は使われることはない。
コワモテのご主人が,大型犬のような野太い声で注文を聞く。
「おきまりですか?」
私は,いつものように
「つけ麺,大盛り,味玉でお願いします。」
と注文する。
「ねぎつけ麺」「チャーシューつけ麺」などもあるが,いろいろと試した結果,結局,この組み合わせに落ち着いた。
ご主人は,
「大盛り,玉子」
と復唱する。
このご主人には,何とも言えない"凄味"がある。
初訪問の方は,この迫力に圧倒されることは間違いない。
ただし,客を怒鳴りつけなど,客に危害を加えることは決してないようであり,凄味があるのは,その風貌と,野太い声と,そして醸し出すオーラだけである。
ネット上では,黙々と仕事をする様が「コワカッコイイ」と評されたこともあり,存外,ファンが多いようである。
客に危害を加えることはないとはいえ,「地雷」はいくつかあるようだ。
一つ目は,今私が座っているテーブル席である。
カウンター席が空いているときにテーブル席に座ったお客さんがいたが,すかさず,カウンター席に移動するように"指導"が入っていた。
テーブル席はあくまでも非常用である。
もっとも,つけ麺を食べる場合,テーブル席はスープ割りをお願いしにくいので,カウンター席の方がおすすめである。
二つ目は,「麺かため」での注文である。
注文したお客さんに対しては,
「うちは最初から"麺かため"なんですけれど・・・」
と答えていた。
三つ目は,「魚粉」の注文のタイミングである。
つけ麺は無料で「魚粉」を追加することができる。
しかし,原則として最初に注文しなければならない。
過去に食べている最中に「魚粉」の追加を申し出た勇者がいた。
ただし,ご主人は,
「本当は,最初に注文してもらうんですけれど・・・」
と少々渋りながらも「魚粉」を追加してくれたが。
ちなみに,この勇者は,初訪問でこの偉業を成しとげた。
・・・
茹で時間は長い。
太麺だからである。
店内のお客さんの会話は,みんなヒソヒソ声である。
店内では静かにするのが,この店の不文律である。
お弟子さんが,茹で上がった麺を大きなザルで流水にさらしは じめた。
そして,全身の力と体重をこめてギュウギュウと麺に含まれた水分を絞り始める。
真冬ならば,大変な作業である。
つけダレは濁っており,見るからに濃厚である。
写真で確認できるトッピングは,刻みたまねぎと追加した味玉である。
つけダレの中にはメンマと細切りチャーシューが隠れている。
麺は黄色い太麺であり,刻み海苔がふりかけられている。
実際の麺の色は,写真よりも黄色い。
麺の断面は四角い。
今日は二人がかりである。
麺を箸で持ち上げてみる。
やはり,この方が躍動感がよく伝わってくる。
見るからに力強い麺である。
ちなみに,この箸の人物が初訪問した時は,ご主人の迫力に圧倒されてしまい,肝心の味が分からなかったそうである。
それが今では,私以上に通いつめている。
そればかりか,つけ麺に"開眼"したようでもある。
つけダレに麺を浸しみる。
つけダレは少しとろみがあり麺によく絡む。
つけダレに浸した麺を一口食べる。
・・・
とにかく,うまいの一言である。
さて,どうやって書けばいいものか?
まず,麺である。
小麦の甘い風味が存分に楽しめる麺である。
小麦の粒子を若干残した打ち方をしているのが功を奏しているのだろう。
それでいてモチモチとしたコシがあり,歯ごたえがいい。
麺の表面はザラリとしており,ツルルルではない。
しかし,麺の表面が粗いために,つけダレがよく浸み込むので,つけダレと麺とが一体になる効果は絶大である。
お弟子さんが全力で水分を搾り出してくれたので湯切りは完璧である。
丼の底に水滴が1滴たりとも残らないほどである。
このおかげで終盤までつけダレが薄くなることはない。
次に,つけダレである。
獣系の旨みと魚介系の旨みが凝縮されている。
わずかな酸味が脂分を中和して,しつこくなりすぎるのを防いでいる。
ただし,酸味はあくまでも脇役であるので,酸味が苦手な方でも苦にならないはずである。
つけダレの中には七味唐辛子が溶け込んでいて,いいアクセントになっている。
しかし,このえもいえぬコクの正体は・・・?
これは想像であるが,すりゴマやナッツの類(たとえば,胡桃やアーモンドなど)が使われているのかもしれない。
つけダレの中のメンマとチャーシューもいい味を出している。
小麦の香るモチモチの太麺,濃厚なつけダレ,そして,しっかりと味の浸み込んだチャーシューを一緒に食べると・・・,言葉ではうまく表せない。
実は,このつけ麺の中で,個人的に密かに好きなものがある。
麺の上の刻み海苔である。
海苔のもつ磯の香りが麺の風味をうまく引き立ててくれているのだ。
・・・
最後にスープ割りである。
つけダレが多く残っている場合は,スープで割ったときに丁度よい濃さになるように,残ったつけダレを少し捨ててくれる。
スープ割りした後の濃さを調整するために,原液を飲む必要はない。
もったいないならば,話は別であるが。
スープ割りをすると,濃厚なつけダレは,魚介系の風味が香る極上のスープに生まれ変わる。
最後の最後まで隙のない一杯である。
・・・
不定休であり,駅からも近いわけでない。
がっかりしないためにも,出かける前に休業日を確認しておくのがいいだろう。
ありがたいことに,さやぴぃさんが「さやぴぃのホムペ」のmini情報のページに藍華の休業日情報を掲載してくれている。
(さやぴぃのホムペ,mini情報)
http://www.geocities.jp/sayapie3838/mini.html
ご主人と直接会話をする勇気があるならば直接お店に電話するという手もあるが,仕事の邪魔になるといけないので最小限にすべきであろう。
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データ
[店名]
藍華
[住所]
東京都八王子市元横山町
[アクセス]
JR中央線「八王子駅」北口から徒歩15分くらい
[訪問日]
2008/03/07
[参考HP]
[1] ラーメンデータベース
http://ramendb.supleks.jp/
藍華
http://ramendb.supleks.jp/shop/2406
お店の地図,営業時間,メニューなどが参考になります。
[2] さやぴぃのホムペ
http://www.geocities.jp/sayapie3838/
「大盛り,玉子」は「さやぴぃさん」の大好物のようです。
mini情報
http://www.geocities.jp/sayapie3838/mini.html
藍華の休業日の情報が参考になります。
[3] 株式会社エイト
http://www.eight-jp.net/
不動産物件情報誌 八王子・日野版
http://www.eight-jp.net/eighthome/info/
「八王子ラーメン横丁」に「藍華」が紹介されています。
若かりし頃のご主人の写真ものっています。
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